スポーツの世界では「別格」と言われる存在の人々がいて、その人は過度な期待を背負い猛烈なプレッシャーがかかり、そして絶対の勝利が求められます。そして負けた場合はその人に怒声が寄せられるというよりはショックで声が出なくなる、といった状態になります。私がこの現象を始めて見たのは、1984年・ロサンゼルス五輪における長崎宏子(水泳)、瀬古利彦(マラソン)、山下泰裕(柔道)といったところでしょうか。山下は金メダルを取ったものの、長崎と瀬古の敗北については日本中黙り込んでしまった感がありました。その後もこうした国の英雄的存在の選手は出てきましたが、もっともその期待が高かった、そして愛された選手といえばフィギュアスケートの浅田真央でしょう。

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