12月9日、現代ビジネスに私は『あばよ、日本…!「コロナに感染しないことが人生でもっとも大切」だと? こんな異常な国は出ていくに限る。』という原稿を寄稿しました。結局日本は法治国家ではなく、その時々の「空気」が法律の上位概念となる「空治国家(くうちこっか)」という異常な国であることを指摘。エスカレーターの片側開けをやめるよういくらアナウンスでお願いしようが、横断歩道では自動車は一時停止しなくては法律違反なのに、一向に改まらない。なぜならこの2つの件については「空気」になっていないからです。
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コロナについてもその時々の「空気」が登場し、それが人々の行動規範になり、その規範を元に商業施設・学校・役所・公共交通機関等の従業員が拡大解釈をし、カンセンタイサクノテッテイで暴走し始めるわけです。異議を呈すると「国交省のガイドラインが…」や「文科省のガイドラインが…」と言うが、実際は国交省も文科省もそこまでは言っていない。あくまでも「空気」が現場の末端を狂わせ、社会全体にその狂った空気を浸透させ、ますます日本が狂った国家になっていくのです。「ルール」「法律」「義務」にすれば「終了です!」といえば終わりなのに、「空気」は終わりがない。なにせ、命令した主体がいないのだから、誰もそれを終える権限がない。だから厄介なのです。それこそ「終わる空気」になるまでは終わらない。

この「空気」ってヤツは、一旦振り返っておくべきでしょう。見ると分かるのですが、基本的にはテレビとそこに出演する「専門家」、そして政府分科会や厚労省アドバイザリーボード、医師会らの発表のニュースがベースになって「空気」は作られていきます。一旦空気が作られてしまえばあとは簡単。従順な羊のような国民が勝手に相互監視をし合い、空気をより強固にし、「謎ルール」「謎マナー」が次々と誕生していきます。それではザッと振り返ってみましょう。空気が変わったものについては、赤文字にしています。

最初から最後までマスクがしぶとく残っている様が分かります。パンデミックの演出と「空気」の醸成にマスクは欠かせないツール。それだけの破壊力を持った激安布切れなのです。あとは、ワクチンに関する「設定」「対象」が変わっていく「空気」も見て取れるでしょう。

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2020年春:自粛+大人はマスク+買いだめ+うちで踊ろう+医療従事者に感謝+検温+消毒+テイクアウト+リモートワーク+高齢者を守ろう+都会者は来るな!

※とにかくワケが分からず岡田晴恵や玉川徹、小池百合子、尾身茂の言うことに従った時期

2020年夏:移動禁止+大人はマスク+検温+消毒+アクリル板+ビニールカーテン+高齢者を守ろう+医療従事者に感謝+他県のヤツは来るな!

※コロナが優良テレビコンテンツとなり、煽り医師スーパースター軍団が続々登場。目立ち、儲ける勝負が開始する

2020年冬:移動禁止+6歳以上はマスク+検温+消毒+アクリル板+ビニールカーテン+高齢者を守ろう+医療従事者に感謝+他県のヤツは来るな!+ワクチンができればコロナは終わる

※クリスマス・年末年始の帰省・初詣・成人式など「人流」が悪いとの決定的な流れが作られた時期。小池百合子が「3密」で流行語大賞を取ったのも影響したか。

2021年春:移動禁止+6歳以上はマスク+検温+消毒+アクリル板+ビニールカーテン+ワクチンは救い神+高齢者は早くワクチンを!+他県のヤツは来るな!+ワクチンを大多数の国民が2回打てばコロナは終わる 

※他国がワクチンを加速させ、政府批判が開始。アメリカへ「ワクチンツアー」に参加する者も。蜘蛛の糸に群がるカンダタ状態で大パニックが加速

2021年夏:移動禁止+6歳以上はマスク+検温+消毒+アクリル板+ビニールカーテン+ワクチンは救い神+40代・50代もワクチンを!+東京五輪は殺人五輪!+外国人は入ってくるな!

※もっともヒステリックになった時期。ただし、五輪で外国人が入るようになったため「他県のヤツは来るな!」の空気は緩和

2021年秋(陽性者激減、連日「0」の県も):移動禁止+6歳以上はマスク+検温+消毒+アクリル板+ビニールカーテン+ワクチンは救い神+40代・50代もワクチンを!+若者もワクチンを!+ワクチン2回打ってもマスクを!

※2021年夏の「第5波」の時と空気変わらず。むしろ「今もっと頑張れば勝てる」の空気感と一体感が生まれ、さらに菅政権がワクチン一日100万発を達成し猛スピードになったことから「やっぱ日本人すごい! マスクとワクチンの継続を!」を決定づけた

2022年初頭(第6波):移動禁止+6歳以上はマスク+アクリル板+ビニールカーテン+ワクチンは救い神+大人は3回目のワクチンを!+子供もワクチンを!+外国人は敵! 鎖国しろ!+岸田さん、鎖国は英断だ!感染対策を文化に!

※この段階で、検温・消毒はおざなりに。結局「施設内に入ってしまえば『人の目に見えない』」ため、適当にやるようになった。マスクは相変わらずしぶとい

2022年春:GWで移動解禁2歳以上はマスク+アクリル板+ビニールカーテン+ワクチンは救い神+大人は3回目のワクチンを!+子供もワクチンを!+ワクチンは何度打とうが感染対策は継続を!+外国人はまだ来るな!
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※鳥取県の平井知事(知事会会長)は、2月の知事会で「2歳以上もマスク」の提言をし、それを信じ込んでしまった人も多く、以後、マスク着用は低年齢化しています。なお、当人は「その意図はなかった」と嘘をついています。

2022年夏:移動完全解禁+「屋外ではマスク不要・熱中症対策のため不要」指導出るも2歳以上はマスク+アクリル板+ビニールカーテン+ワクチンは救い神+大人は3回目のワクチンを!+子供もワクチンを!+ワクチンはとにかく回数を打てば打つほど強くなる!ウチはウチ、ヨソはヨソ!

※しかし4回、5回接種を呼びかけられたためここでワクチンに懐疑的な空気が生まれる

2022年秋:移動完全解禁継続&行楽地大混雑+「屋外ではマスク不要」指導再度出るも2歳以上はマスク+アクリル板+ビニールカーテン+大人は最低3回目・4回目のワクチンを!+子供もワクチンを!生後6ヶ月~4歳児もワクチンを!+ウチはウチ、ヨソはヨソ!+本当に4回目のワクチン必要なのかな…+また寝込むのイヤだ…。4回目、どうしよう

※さすがに若者の中でワクチン接種を躊躇する空気が醸成。10月11日の外国人入国時、以前ほどの反発はなし。政府はすでに2023年の6回、7回目の調達の目途が立ったと発表。まだ打ってない人は「年内に2回打つことを検討してください」と呼びかけています


ザッとこんな感じです。この「空気」に関するブログエントリーは適宜更新していきます