これはちゃんと言っておかなければいけないと思うので、チクショー、眠いが書くわ。ファイザーの広告に出ていたワクチン接種の広告塔・忽那賢志医師が広めた厚労省の恣意的データについてだわ。忽那氏はこれをベースに「コロナはマジで怖いです!!! ワクチンは超安全です!」と喧伝した。その厚労省のデータについて、読み解き方を解説する。
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忽那氏とワシは2021年秋のABEMA Primeで共演した。この件については、動画が多数再生されているが、小林よしのり氏『ゴーマニズム宣言!』では以下のように描かれた。

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さて、ワクチンの安全性とコロナの恐怖については、厚労省が2021年10月15日に公表した「心筋炎関連事象疑い報告の状況について」という資料がデータを紹介している。忽那氏はこれを使い、Yahoo!ニュース個人に「10代・20代男性の心筋炎 モデルナとファイザーのワクチンでの頻度の違い」という原稿を寄稿した。これが、金科玉条のごとく「コロナは怖い! ワクチンは安全!」神話に寄与したのである。まずはそのデータを紹介しよう。

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見てくれ! ワクチンを打っても心筋炎になりにくいが、コロナに感染すると心筋炎になりやすい! これはもうワクチン打つしかありません! と思えるだろう。

だが、このデータはかなり理解不能な恣意的な解釈を厚労省の役人がしているとしか思えない。「コロナは怖い! ワクチンは安全!」を主張するためだったらなんでもやるヤツらの悪徳さをここで示そう。しかし、その前に、忽那氏の原稿の締めを引用する。

健康な人と感染者とを単純に比較はできませんが実際に新型コロナウイルスに感染したときに起こる心筋炎の頻度(日本国内の15〜39歳で100万人当たり834人)よりはずっと低く、現時点においてはどちらのワクチンも接種によるベネフィットがリスクを上回っていることから、今後も接種するご自身が「ワイはファイ卒よりもモデ卒になりたいんや!」とモデルナを希望の場合は接種可能です。

若い方も引き続きワクチン接種をご検討ください。
もう一度このデータを貼る。そして、解釈を伝える。

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要するにこのデータを見ると、10代・20代において、「ファイザーは超絶安全! モデルナもかなり安全だよ! でも、コロナにかかるとヤバいぐらい心筋炎になるから、ワクチン打とうね、ワクワク!」と解釈できる。だが、これはバカをひっかけるためのクソグラフである。なぜ、このグラフがクソかを解説しよう。

まず、このビジュアルである。とにかくバカがひっかりやすいビジュアルをしている。だが、内容を見ると、ずっこける。

下の方の注意書き(※)を見ると分かるが、ワクチンを打った人間は「10代」「20代」なのだが、国内の感染者(100万人あたり834人)は、「国内の新型コロナ感染症の入院患者の15~40歳未満の男性で、100万人当たり834人」となっている。

この比較をする意味が分からないのである。本来、比較をするのであれば、「ファイザー・モデルナを打った10代・20代と非接種の10代・20代」であるべきだ。そこは分かるよな?

だが、厚労省が比較したのは「国内の新型コロナ感染症の入院患者の15~40歳未満の男性」なのである。おい、なんで15歳~39歳まで含めて「100万人あたり834人」の数字を作ろうとしたんだよ! そしてなんで女性を含めないんだ! そもそも、「健康な若者がワクチンを打った場合の心筋炎」と「入院するほどの状況になった中年も含めた人々」を比較するって無茶苦茶じゃねぇか? ガンガン進めるが、その前に以下のデータを見て下さい。

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ここで見るべきは「15歳~40歳未満」の項目だ。上記厚労省データで使われた数値がココにある。上記データでは「国内の新型コロナ感染症の入院患者の15~40歳未満の男性」としており「100万人あたり834人」のデータを提示した。ファイザー10代の3.7人、モデルナ10代の28.8人、ファイザー20代の9.6人、モデルナ20代の25.7人と比べて「マジ、やべー!」状況と解釈してしまうだろう。

ただ、あくまでもこの厚労省の恣意的なデータを額面通り受け止めれば、という条件でしかない。

このデータからなぜ「100万人あたり834人」となったかの計算式を見てみよう。対象人数は4798人、うち心筋炎関連事象は4人。よって「100万人あたり」にするためには、以下の計算をする。

1000000÷4798×4=834

まず、なんで女性を含めないんだよ。ワクチン打ったデータでは「男性だけ」とはしていないだろ? コロナ感染者の「15歳~40歳未満」の女性で心筋炎になった人は「0」である。もしも女性を含めたらこうなる。

1000000÷8563×4=467

この数値になってしまうと「海外」の「450人」と大して変わらないため、インパクトが弱いと考えたのか、厚労省は「女性」を除外し、「834人」というインパクト大の数字を出したのだ。そして「男性の4798人中4人」ではインパクトが弱過ぎる。だから「100万人中834人」と言い、さらに女性を排除したのだ。

そもそも、ワクチン接種者は「10代」「20代」なのに、なぜ、「コロナ感染で入院した人」は30代も含めているのか? 心筋炎になった人がいなくて困って30代まで含めたんじゃないの? 厚労省さんよぉ。こうした数値、バカは騙せるが、バカじゃないヤツは騙せないぜ。

そもそもコロナで入院するほどの状況なのであれば、様々な問題が発生することはあるわけだし、心筋炎も併発することはある。それをいちいち「非入院者」「入院者」と比較する無茶苦茶を厚労省の役人はしたのである。

というか、なぜ、「コロナ感染で入院男性4798人中4人が心筋炎だと0.0834%」と言えばいいのに「100万人あたり834人」と言うのか? バカをひっかけるためである。つまり、「コロナに感染しても99.9167%は心筋炎にならない」が真実なのに、「100万人あたり834人」と言うことにより、コロナの恐怖を煽ったのだ。ワクチンを打とうが打つまいが、0.0何パーセントかの差なのだが、「100万人あたり」と言うことにより、恐怖を煽ったのである。

もしも「100人あたり」だったらコロナ感染者は何人が心筋炎になるか?

0.0834人である。

この数字はさすがに恐ろしくないため、無慈悲で容赦のない1万倍をし、「100万人あたり834人」と報告したのだ。いい加減にしろ!なんでお前らはとにかくコロナが恐怖の大魔王であり、ワクチン様こそ救い主、という設定にしたいのだ! 数字が読めないバカを騙くらかすことしか考えていねぇだろ! お前を国に送ることを考え、教育を施してくれた親にお前は何を言うか! 国のためにお前は誇りをもって仕事をしているのか!

そして忽那賢志、お前はこのインチキデータを基に散々コロナの恐怖を煽り、ワクチンの安全性を宣伝したな。医療従事者として恥を知れ! 一応、「健康な人と感染者を単純に比較はできませんが」という配慮をした点だけは評価してやる。だが、馬鹿はここさえ読めない。お前の提示した厚労省のクソデータを見てビビるだけだ。

さらに言うと、このデータは2021年5月のものであり、オミクロン株より格段に極悪なアルファ株の時のデータである。

こうしたことから、とにかく、最初に「コロナはヤバいです。ワクチンは最高です!」という設定を作った政府・専門家・厚労省・メディアにとって都合の良いようにこのデータは作られ、そして定説として流布されたのだろう。

いい加減にしろ、誇りをもって誠実に仕事しろ、お前ら!