まさに東京スカイツリー。187cmの長身が今年は3連覇を目指す巨人の前にそびえたつ。スーパールーキー、佐藤輝明の活躍が止まらない。8試合の出場で打率.370、4本塁打、打点6、出塁率は.393で長打率は.852でOPSは驚異の1.245! こんな新人は約30年に一人しか出ないはずだ。そう、あの松井秀喜氏を髣髴とさせるのである。
矢野監督は開幕スタメンを明言しており、こうなると関心は果たして何番を打つかだ。3番マルテ、4番大山、5番サンズの超重量打線に続く6番で気楽に打ってもらいたい、という意見もあるが、いっそのこと右打者3人が続くクリーンナップなだけに左打者の佐藤を5番に入れてみるのも面白い。
「今の佐藤はスキがない。かつての松井秀喜氏を見ているみたいだ」(セ・リーグスコアラー)という声が出るように、佐藤への期待は高まるばかり。元々は攻走守揃った大型野手として「糸井二世」と言われていたが糸井本人が「糸井二世どころか柳田二世だ」とインタビューで答えるほどの逸材だ。
しかし、野球取材をこの25年続けてきた本紙記者からすれば、佐藤は松井秀喜氏の4年目を髣髴とさせる風格を放っている。松井氏は高卒で1993年を巨人でルーキーとして迎え、一軍に定着したものの、まだ体ができていなかったこともあり、大ブレイクとは至らず11本塁打だった。
しかし、大卒の佐藤はすでに体はできている。そう、記者の見立てでは佐藤はすでに松井氏の4年目に相当するのではないだろうか。「1996年の松井秀喜」--これこそ今の佐藤には相応しい称号である。この年、松井氏は打率.314、38本塁打、99打点でOPSは1.023。OPSが「1」を超えれば超一流打者の証だが、佐藤はルーキーにしていきなりこの数字を達成することも可能かもしれない。
昨年覚醒した大山が今年は40発も夢ではなく、マルテ25本、サンズ30本、佐藤が38本、そしてロハスジュニアが途中やってきて25本打てば1985年のバース、掛布、岡田、真弓、佐野の再来や! 佐藤の存在に奮起した虎戦士たちが今年はソフトバンクを破り、栄光のビールかけに臨む未来が見えてきたで! もちろん成人した佐藤には勝利の美酒に酔ってもらいたい。