タイトル通りです。1月24日の春節の際、安倍晋三首相が「中国の皆様を歓迎します」的なことをし、2月には72万人の中国人観光客がやってきた。1月23日に武漢が封鎖されたというのに、日本は「ウェルカムトゥージャパーン!」と両腕を広げて彼らを歓迎した。あの時来た中国人は「日本ではマスクをしないでいいのが嬉しい」なんて言っていたわけですよ。これには政権に対して好意的な百田尚樹氏らでさえ徹底的に批判をした。
hellbutler

一方、すぐに外国人受け入りを禁止した台湾といえば世界トップクラスの感染抑え込みに成功。安倍政権については、「初動がまずかった」と散々言われている。今、菅官房長官もGo Toキャンペーンはやるぜヒャッハーとやってるけど、これで感染拡大したら「政府が悪い」で終わりだぜ。

小池百合子都知事は「冷房と暖房の両方をかけるようなこと」と同キャンペーンに批判的。各地の自治体のトップも「人災」と言ったり「来ないで欲しい」と言うなど、政府の強硬姿勢には呆れている。世間の「空気」「風」ってヤツも反対ムードが強い。「ただの風邪」論や「経済回せ」論もあるが、それよりも「今遊びまわるヤツは迷惑なバカ」という風の方が強い。一大クラスターとなったシアターモリエールなんてその最たるもんだろう。

小池氏という人物はかなり勘が当たる人だぜ。今、政府に反発しておけば、7月22日のキャンペーン開始以後爆発的に感染が増えた場合に政府攻撃を強め、「首長党」を作り、全国の知事・市長・区長を候補に担ぎ上げて解散総選挙に打って出た自民党の議席を大幅に減らす。

こんな青写真さえ描いているかもしれない。今回のGo Toにより感染が拡大したらそのチャンス。「自分の県から出るな」と慎重論を言っておけば、感染が拡大しなかった場合に「あの時の首長たちが言っていたことが正しかった」となる。小池氏に対する評価も上がる。感染拡大したら「ほら、あの時首長が言った通りだろ」とどちらにせよ評価が上がる。

こういった算段があるのだろうが、政府は今回の件、「やっぱやめた」と言ったら拍手喝采だぜ。文句をいうのは、観光業界と安く旅行に行きたかった人達だけ。でも、岩手で初の感染者が出たらどうする? その感染者が泊まったホテルなんて廃業に追い込まれるし、その感染者が訪れた店、バスなどはいずれも激しい誹謗中傷に遭うだろう。

それとね、個人的な感情を述べると、Go Toの財源は税金なわけで、ノーテンキに遊びに行くバカに対して東京に留まり旅行を我慢するオレが払った税金も少しは使われ、それでいてコロナ感染の東京人が全国で東京土産の「東京ころ奈」をばらまくのは正直やめてほしいのよ。

すでにネットでは東京のことを「トンキン土人」だの「トン菌」だの言われまくってるわけで、都民としては心底それ以外の人に申し訳ない気持ちなんですよ。別にオレが東京の代表ってワケでもねーけど。

というわけで、政府は今「やめます」と言ったら春節の失態を少しだけ消せるチャンスだぞ。そして、強行した場合は、野党及び小池都知事は感染拡大した場合の戦略が立てやすくなるぜウヒヒ、とほくそえんでいるところだ。