まもなく大学生の就活が本格化するわけですが、就活ってくだらねぇなぁ、と思うのですよ。何がくだらないかって、どいつもこいつも同じようなことばっか言い、偏差値の高い大学のヤツがグループディスカッションで低い大学のヤツを見下す。きれいごとばかりが飛び交い、語られるエピソードはいずれも人格者然としたものだらけで、「あなたは行基和尚ですか?」と言いたくなるようなものばかり。何だよ、どうせお前なんてナンパばかりしてたんだろ? だったら「僕が大学で一番頑張ったのはナンパでーす!」でいいじゃねぇかよ。あ、写真は私が昔やっていた学生プロレスのリングを真上から撮ったものです。卒業から数年後の興行の様子です。
P1010073

就活に就いて書き始めたらかくしてこのように文句だらけになってしまうのですが、3月26日、青山ブックセンター本店で〈「面接コミュ障」たちよ、集え! 君たちに面接突破の武器を伝授する。〉を、『コミュ障のための面接戦略』著者の曽和利光さんと一緒にやります。

オレの考えとしては、「別に内定が取れなくても人生は終わらない」というものがあります。もちろん、最初に難関企業の内定を取れば、その後の人生で自信がついたり、そうした会社で得た縁が後に生きることはあるので内定を取るのがいいに決まっています。

しかし、取れなかったからといって別に落ち込む必要はない。人生は色々なことがあり、去年11月、オレが上智大学の学園祭のイベントに登壇した時、質問してきた学生が文藝春秋に入り、週刊文春編集部に配属されたい、なんて言ってきたわけです。しかし、出版社の試験はすべて落ち、来年(2019年)は、大学は卒業したうえで、もう一度出版社に就活をするつもりだそうです。

その後彼とは一緒に打ち上げに行ったのですが、喋ると案外面白いヤツだし、ひねくれているところが実に良かった。あれれれれ……。よくよく考えたら先日週刊新潮の副編集長が「中川さん、誰かお知り合いで若くて編集をやりたい人っていませんかね?」と言っていたのを思い出しました。

「あのさ、週刊新潮でもいいですか?」と彼に聞いたところ「えぇ! いいです! そんなこと可能なのですか!」と言う。その副編集長にその場で電話をし、まだ先日の求人オファーが生きているかを聞いたところ「待ってます!」と言うので、学生の彼に電話を替わり、彼は外に出て行きました。

すると、なんと翌日にその副編集長と若い記者との面接を受けることが決定し、あれよあれよという間に編集長面接に進み、2月1日から契約記者として週刊新潮編集部で彼は働くことになったのでした。しかも、先日はスーツを着てオレのところに取材に来るではありませんか。

「いやぁ~まさか中川さんを取材することになるとは思いませんでした、ガハハ!」

なんて彼は言います。私としては彼が今、目指していた週刊文春ではないものの、それに近い週刊新潮(とデイリー新潮)で働いていることを喜んでいるのを見てこちらも嬉しくなりました。

希望の仕事なんてもんは、会社に正社員として入らなくてもやることはできるんですよ。もしも彼が今年の就活戦線に参加するとした場合、出版社の採用はさらに減ることが予想されるだけに入るのは厳しい。仮に希望する会社に入るという宝くじのような倍率を突破したとしても、その後希望部署に行けるかどうかといえばまた別物です。

彼は上智の学園祭に来ていたものの、実際は早稲田の政経学部の人間なので、もしかしたら「お前、経理ができそうだな」みたいなことで経理部に配属される可能性だってあるわけですね。「あと5年したら編集部に行けるかも……」なんてことを悶々と考える会社員人生が始まり、周囲には同世代のフリーライターが楽しそうに自分の名前を出して文章を書いている様を見て「グヌヌヌ」となってしまう。

今回のイベント、曽和さんは「面接に通る方法」をバシッと教えてくれます。オレは曽和さんとは過去に4回ほど一緒にイベントをやったことありますが、この人はウソをつかない。必ず的確な助言をするほか、就活の最新状況を教えてくれる。どうすれば内定を取れるか、という戦略を教えてくれることでしょう。

一方、オレは上記のように「人生は就活に失敗してもなんとかなる」とか「どーせ1年で辞めるヤツなんてうじゃうじゃいるから、自分が志望する会社に入ったヤツを羨むな」みたいな身も蓋もない現実を語ります。とにかくオレは超お気楽な就活の話なんかもできるし、これまでに会ったバカ学生、みたいな話もガンガンし、皆さんにとって「これは言わない方がいい」といった指針を提供できれば、と考えます。基本は「他のヤツが言いそうなことは言うな」「別に会社は学生からホメられたいわけではない」という2つの大原則は知っておきましょう。

また、面接において重要な考えがあります。

面接官は落とすために面接をしているのではない。なんとか上がって来てくれる学生を探している

という真理についても解説します。多分、気がラクになるかと思います。3月26日19時、青山ブックセンターでお待ち申し上げます!


あとはオレが書いた以下の本も。まぁ、あまりにも気楽になれる就活本だぞ。

内定童貞 (星海社新書)
中川 淳一郎
講談社
2015-02-26