先日書いた『フリーランス、40歳の壁 自由業者は、どうして40歳から仕事が減るのか?』(ダイヤモンド社、1400円+税)についてのブログがそれなりに読まれました&ブログを告知したツイートも多数読まれましたので、フリーの続編について。

一旦フリーランスになってしまった人がもうサラリーマンに戻りたくない、と思う大きな理由の一つが「何かをやろうと思っても許可がいらない」ということにあります。あとは、「稟議にかけます」と言うこともなければ、何かを許可するのにハンコを押す必要もないし、上のハンコをもらう必要もない。あくまでも外部の雇われ要員として、発注主から言われたことを自分でやるか、これからの発注相手に何らかのプレゼンをするだけです。

思い立ったが吉日。すぐに動き始め、結果が出るかどうかは分からないまでも誰かにアプローチをしたり、突然サイトを立ち上げたりすることもできる。ツイート内容もブログに書く内容も自由だし、場合によっては明確な批判をしたりもする。取材を受けるにしても「上に聞いてみないと…」「広報に確認しないと…」「広報の原稿チェックを受けなくては…」みたいなことをする必要はない。

自由にやらせてもらえるサラリーマンも時々おります(田端信太郎氏や熊村剛輔氏など)が、大抵の場合、サラリーマンは過激な意見を言うことが許されない。本音を出すこともできないし、自社批判もできない。それは当然です。個人の発言が会社全体を貶める結果になったり、株価が下落したり不買運動を起こされることもあるわけですから。

何かをやりたいと思っても、とにかく「全体最適」の考えと上下関係に起因する忖度がサラリーマンにはついてまわります。フリーランスの場合はそれがあんまりない。相手が課長であろうがヒラであろうが、とにかく仕事をくれる相手は「お客様」。で、こちらは単なる「下請け業者」。自分はとにかく下の立場である! という意識をしておけばいいだけなので各方面に配慮をする必要がないのです。

また、一旦仕事を受けてしまえば、あとは自分がそれを個人プレイによって商品に加工すればいいだけで、おずおずと上司に見せて「パンチが足りないんだよ!」「もっとひねりを効かせてくれよ!」なんて言われることもない。これが実に楽なのです。切られてしまったも、それはまぁ、しょうがない。相手との相性が悪かったのかもしれないし、仕事ぶりが先方の満足できるレベルではなかったかもしれない。しかし、それも自己責任。自分が悪い。カネが足りなければ新しい仕事を見つければいいだけの話です。

◆とにかく思い付きで動くことができる

これまでフリーランスとして営業をしたことは2回だけありますが、その時も上司からの命令でもないし、「とにかくアソコと仕事がしたい!」という一念だけで電話をしたらその営業活動がすぐに実を結んだ! 営業するかしないかというのは、普通の会社であれば上司に相談のうえで、「よし、まずは企画書を作れ」「それをオレが見る」「オレの段階でOKだったら、部長に上げる。部長もOKしてくれたら、この案件は部長も同行すべきものなので、日程調整をしよう」なんてことになり、とにかく時間がかかる。

しかし、仕事というものは、今日か明日動けば色々進む! というものもあるわけで、そんな時にフリーランスの思い付きと行動力ほど強いものはない。何しろ勝手に動こうが「怒る人がいない!」わけなのですから。

私は『夢、死ね!』(星海社新書)で、「人は怒られたくないから働く」という身も蓋もない真実を説きましたが、フリーになると格段に怒られる機会が減ります。怒られるにしても、「ちゃんとした格好しろ!」とか「机が汚すぎるぞ!」みたいな理不尽なものではなく、あくまでも質の低い仕事のパフォーマンスに対して怒られているわけなので、納得感がある。



さて、私もひょんな思い付きから人生の岐路を迎えることになりますが、それを推進するにあたり、必要な手順というものがあります。色々な人に相談したのですが、とある会社が手助けをしてやろう、と言ってくれました。こんな動きも簡単にできてしまうのがフリーランスの良い点ではないでしょうか。

以下の言葉は何らか拒否の文脈の返事をする例ですが、これらが嫌いな人は会社員に向いていないと思います。というか、フリーランス向きだと思います。一体どんな人物かというと、「責任の押し付け合いが嫌い」「プロフェッショナルたるもの、自分で責任を取りたい」「他人に華麗なスルーパスを出し合う様子に嫌悪感を抱く」人物といえましょう。私はそうでしたので、4年間で会社員を辞めてよかったと思っています。とはいっても、唯一所属した会社には今でも感謝していますし、同社所属の人とも未だに付き合いがあります。

「上に聞いてみないと~」
「我が社らしくない、との判断で~」
「ウチの上司、頭固いんですよね~」
「これ、○○部長はGO出さなそうですよね~」
「営業の許可が出るか分からないですからね~」
「稟議には5営業日待っていただかなくてはいけません。そういう決まりです」
「勝手に動いて何をやっておるのだ!」
「もしも失敗したらどうするのだ!」


私は決して万人にフリーランスという働き方を勧めているわけではありません、サラリーマンが向いていれば、フリーランスや社長という働き方が向いている人もいるので、自分がどちらが向いているのか? は把握した方がいいと思います。

竹熊健太郎氏のこの本は、そうした生き方をするかどうかの判断材料になります。