「テレビ雑誌なのにコラムや特集が面白い」「コラム雑誌に番組表がついているだけ」「番組表はおまけ」「ピピピクラブとはみだしブロスとブロス探偵団の方が普通の記事よりも面白い」と言われ続けてきたテレビブロスが月刊化するみたいですね。現在のスタッフ及び執筆陣の皆さま、心よりおつかれさまでした。私がブロスの仕事をしていたのは2001年8月から2005年5月でしたが、編集の基礎と応用はブロスから学ばせてもらったと思っております。
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編集担当のおぐらりゅうじさんのこのツイートは素晴らしいですね。(スイマセン、ツイートの取得ができないので、jpeg貼ります)
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「校了しながら、少し泣きました」って、それだけ仕事に真摯に取り組んだ結果言えることです。おぐらさんは現在は舞台のプロデュースなども含め、多方面で活躍しておりますが、ブロスの編集も大事にしていたんだなぁ、とつくづく思います。松尾スズキさんの連載にも「末光」という名前が出てきたりし、あぁ、懐かしいな、と思いました。「末キョン」と呼ばれていた末光さん、東京ニュース退社後もブロスにかかわっているのですね。

といったことを考えつつも、tfmの「タイムライン」のブログにこんな記述がありました。この日のタイトルは「【常識と非常識の座標】vol.303 テレビブロス番組表廃止に思うこと」です。そして、スタッフのH氏は以下のように書いています。

〈私はもともとコラム目当てで買っていて、番組表を熟読したことは一度もなかったので、番組表の廃止に特段、寂しさは覚えませんでした。ところがツイッターで反応を眺めていると、番組表の廃止に寂しさを覚えている人が少なくないことが分かります。

テレビやレコーダーに番組表が付いているため、わざわざ雑誌で番組表を見る必要はないのに、それに執着する人が一定数いることに正直、驚きました。〉


多分、これは東京のいわゆる“情報感度の高い人”の発想なのでしょう。私もH氏と同様のことをかつては思っていたのですが、実際にブロスで仕事をしてみると、この考えでブロスを買っている人は多分半分ぐらいなのでは……といった感覚を抱きました。

ブロスの発行元の東京ニュース通信社は番組情報と番組表を配信してカネを稼ぐ会社です。だから多数のテレビ情報誌を持っていたわけですね。そんな会社のありようがあったうえで、当時のK編集長とも話していたのですが、K氏曰く「ブロスは高齢者の購読数がかなり多い」とのことです。

これには仰天しましたが、現役を退いて年金生活が開始し、もう仕事のために新聞を読む必要もないし、少しでも節約をしたい高齢者が番組表のためだけにブロスを買ってくれているケースが本当に多いとのことです。

他の編集者も「ブロスのコラムとか特集のこの小さすぎる文字はお年寄りには読むの辛いから、番組表だけ見てるって人多いですよ」と言っていました。それ以外の読者は、定期的に買う人以外では特集の内容目当ての人や、インタビューに登場する番組や芸能人ファンってところでしょうか。

当時のブロスは180円だったのですが、新聞だったらテレビ番組を知るために月額4000円払う必要がある中、ブロスであれば360円で済みます。テレビガイドやTV LIFEにしても週刊であり、1冊250円ほどはしたから一か月1000円になってしまう。

高齢者はあくまでも「安い」というだけの理由でブロスを買ってくれていたのです。そしてコラムや特集は特に読むわけではなく、tfmのH氏とは真逆の消費行動をしていたのでした。

どちらのお客様であろうとも大事なお客様。コラム・特集が好きな読者、番組表を必要とする読者、両方が存在したテレビブロスという雑誌の新時代がこれから開始します。