「冷やし韓国」の季節がやってきましたね~。「そんな言葉、聞いたことないぞ、オラ!」と思う方もいらっしゃると思うので解説すると、2011年、フジテレビで行われたイベント「お台場合衆国」で提供した「冷やし〇〇(国名)」で、「冷やし韓国=(プルコギのような牛肉とキムチが乗った冷やし麺)」が一番人気という結果が発表された件にあります。冷やし韓国は、「冷やし大阪」「冷やし中国」「冷やしイタリア」「冷やしメキシコ」「冷やし北海道」「冷やしハワイ」「冷やし水戸」に勝利しました。当時は「(“韓国偏重”を糾弾する)フジテレビデモ」前夜の話で、ネットではフジテレビが韓国に過度に肩入れしており許せん! といった空気がじわじわと醸成されている時期でした。
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フジテレビはそれ以前にも『笑っていいとも!』で20代~60代の全世代を対象とした「好きな鍋」調査において、「キムチ鍋」が全世代で1位になったという結果を発表。さらには、ピザハットの人気ピザランキングでは「特うまプルコギピザ」が1位になっていると発表しており、「韓国ゴリ押し」疑惑がネット上では噴出しており、「ウジテレビ」などと呼ばれるようになっていたのです。

前者については、「全世代で1位というのはおかしいだろう」という指摘で、後者についてはテレビ朝日系『帰れま10』では「特うまプルコギ」は5位だったという指摘が出ました。もっともな指摘だと思いますが、私が番組関係者に聞いたところ、どうやら「特うまプルコギ」については、フジテレビのランキング作成時は「特うまプルコギ」のキャンペーンを丁度やっていた時期で、1位になっていた、とのことです。テレ朝のランキングと比較しても2位以下がスライドして下がったというわけではないので、別の調査と見るのが妥当です。つーか、結果全然違うだろ。

帰れま10:1位「チーズハーモニー」、2位「ゴージャス4」、3位「ファミリー4」、4位「パクチキ5P 」、5位「特うまプルコギ」

笑っていいとも!1位「特うまプルコギ」、2位:「デラックス」、3位「チーズ&チーズ」、4位「ピザハットグルメ」、5位「カマンベールデラックス」

ただし、こうは言っても「そういったランキングを見つけて放送したから韓国偏向だ!」という指摘もしたくなることでしょう。

前者の「キムチ鍋」については、これはまさに都市伝説のような話になっているのですが、フジテレビ関係者に聞いたところ、どうやら番組のスタッフ皆で放送前にキムチ鍋を食べに行ったところ、あまりにウマく、「1位にしちゃおうぜ!」と盛り上がったという話を聞きました。これが事実なのであれば、こちらの方が問題あると思うのですが、確かに全世代1位というのは不自然ですね。それは理解できます。

さらには、農林中金が2011年に行った好きな学校給食に関する調査でも炎上しました。給食メニューで1番好きなのが「カレー」、2位が「あげパン」、3位は「キムチチャーハン」でした。この時、「1位2位は分かるが、3位に違和感がある」といった声が出たほか、農林中金まで反日組織だ、といった意見も出ました。「キムチチャーハンなんて自分の時代の給食にはなかった!」「3位なんておかしい!」といった批判なのですが、まぁ落ち着け。

得票数を見ると、カレーが66件、あげパンが42件、キムチチャーハンが17件、4位のラーメンが16件、5位のうどんが8件です。恐らくラーメンがあと2票獲得して3位になっていたらそこまで大事にしなかったとは思うのですが、わずか1票差で3位になったから「農林中金も韓国の手先」的な扱われ方をされてしまった。

というか、2011年のこの頃は、俺に血眼グレートで韓国がランキング上位に入るネタを見つけては糾弾するブームが発生していたのです。

◆自分の知らない世界ってのは存在するし、それが嫌いだったら「流行ってる」とは信じたくない

さて、前置きが長くなりましたが、私が今回指摘したいのは、「自分と自分が近しい人が見ているものは他の人達が見ているものと違う」という話です。最近でも某ネットニュースのサイトが「K-POPグループがすでに人気があることにされていて不自然」といった問題提起をしていました。

私もそのグループは知りません。ただ、韓国関連って興味ある人は案外多いんですよね。自分の知らない世界の話だからって「捏造だ!」とわーわー喚き、「人気がある」と述べた人やメディアを糾弾するってのはどうなんですかね。まずは2016年のライブ動員数について(出展:日経エンタテインメント!)。

1位:BIG BANG 185.9万人 60回
2位:嵐 93.9万人 32回
3位:関ジャニ∞ 87.5万人 35回
4位:ももいろクローバーZ 63.6万人 21回
5位:三代目 J Soul Brothers 63.4万人 13回

回数は多いとはいえ、K-POPのBIG BANGが一位なわけですよ。さらに、サイバーエージェントが出した2017年上半期ブログトレンド分析でも、こんな項目があります。

■若者と中高年の共通点は「韓国」―世代別人気ハッシュタグ

次に、「アメブロ」では、ブログでどのようなテーマの記事が書かれているかが分かる「ハッシュタグ」を世代別に集計し、ランキングを発表いたします。
『若者と中高年の共通点は「韓国」』って、お前ら、大韓民国政府からいくらもらったんだ! サイバーエージェントは反日! と言いたくなる方もいるかもしれませんが、落ち着け。以下の分析がある。
次に、特徴的だったハッシュタグは、10代の2位、20代の4位にランクインした「韓国」です。昨今人気を集める韓流アーティストなどから影響を受け、韓国からトレンドを取り入れている若い世代の中では、ハングル語のハッシュタグも多く使われています。また、韓国に対する若者の興味は多岐に渡っており、旅行先としての韓国の見どころやフォトジェニックなスポットを紹介したブログ、人気の韓国芸能人やアーティスト、ファッションや美容情報を紹介するブログ、韓国人の恋人との日々を綴ったブログなど、様々な切り口で書かれているブログが多いことも特徴です。上記のように、ブログで自分が興味のあるトピックについて、SNSよりも、テーマは多岐にわたり、より深い情報発信をしているのが若者世代のブログの使い方と言えます。
私としても「マジかよ。ハングルのハッシュタグなんて見たことねぇぞ」なんて思ったし、韓国のトレンドなんて興味ねぇよ、もっとアメリカの情報くれ、なんて思いました。ただ、公式のプレスリリースで嘘を書いても仕方がない話なので、「こういった世界もある」ということは受け止めなくてはいけない。

現在私は女性セブンのウェブ化をする仕事をしていますが、2週間に1回ぐらいはK-POPの人は出てくるんですよね。それだけニーズがあるということだし、その人々目当てに雑誌を買ってくれる人もいる。そして、奇しくも私が韓流の人気を目の当たりにしたのは、まさに2013年1月に新大久保で行われた嫌韓デモです。

新大久保反韓デモの在特会桜井会長に批判ツィート殺到-togetter

K-POPファンのことはKポペンと呼ぶらしいのですが、桜井氏が韓流ショップが立ち並ぶ新大久保で嫌韓デモをすることに対し、Kポペンが一斉にツイッターで抗議の声をあげたのでした。それまで桜井氏に対しては、アンチレイシズムの側からの批判が多数あったため、そういった人々に対しては、ある程度対応は慣れていたのでしょうが、これまでに接したことのなさそうな層からの想定外の形式の批判が寄せられ、この時は防戦一方といった形になっていました。
こんなことする意味wwつーかする勇気もないくせにww今日も明日も新大久保にはいっぱい韓流ファンがいるわけ!もちろん韓国人も!韓国の有名人も来てるんだけど!人の迷惑考えられないとか最悪だねww こんなことしてもファンは減らないけどねww
このおじさん頭大丈夫?デモとかさやっても意味ないし!日本の恥!!韓国大好きだから新大久保行くんじゃないの?わざわざ新大久保でデモ??笑えるね!
浮いてるしーーーきもーーー
韓国好き、K-POPを愛する全国民を敵にまわしたな!
こうした批判に加え、「おじさん」「デブヒキガエル」「ニートじじい」「キモくさジジイの極み」などと新手の罵詈雑言が寄せられたのでした。この騒動以降、桜井氏はKポペンのことを敵視するようになり、「ポコペン」とわざと間違えて言うようになったのです。都知事選出馬時にもこうツイートしています。
ポコペン(韓国芸人ファン)のユウタなる人物から殺害予告を頂きました。早速、警察に届け出をさせて頂きます
まぁ、こうした状況を色々見て来ましたが、前出、「ブログで書かれた言葉ベスト10」は「旦那」「ドラマ」「卒業」「保育園」「ブラック」「アクセサリー」「結婚式」「コーデ」「育児」「受験」だそうです。いずれもオレと関係ねぇ~、こんなもん流行ってるのかよ! と思うが、世の中とはそういうものです。自分の判断基準を過信しない方がいいでしょう。「こんなもの私の観測範囲では流行ってない!」とか「私のTLでは〇〇党の支持者が圧倒的に多い。世論調査の結果は捏造だ。偏り過ぎている」みたいなことを書くと後で恥をかくかもしれません。