皆さまこんにちは。ワシが書いた『電通と博報堂は何をしているのか』が重版となりました。本当にありがとうございました。さて、先日参議院会館で常見陽平、おおたとしまさ、赤木智弘の三氏とともに「働き方改革にモノ申す」という院内集会を行いました。その後、常見氏の書籍『なぜ、残業はなくならないのか』の編集者と編集長とともに飲み会になりました。その時の編集長の発言が実にオッサン編集者としての愛おしさを感じたものです。それは「『重版』という言葉こそ、この世で一番美しい…。『絶版』という言葉は最悪の言葉だ…」というものです。








まぁ、書籍というものは売れるか売れないかはまったく予想ができないもの。しかし、一つここで私が強調したいのは、「職業的作家を除き、本業をおろそかにするな」ということであります。つまり、小説を書いたりする作家を除き、本を書く人間というのは、何らかの専門性を有し、それを吐き出す手段として「書籍」があるということであります。

日々の経験をし、それが知識として蓄積されていく。その経験値を書籍という形で吐き出す。そこでストックがなくなったので、再び経験・知識の蓄積を繰り返し、また1年後に本を書く。

そういったことの繰り返しなのではないでしょうか。

今回の電通・博報堂書については、やはり現役の社員が書くわけにはいかない。彼らにも生活がある。書く意義がある、というのは、出版社及び著者のエゴなわけであり、それはオレ達の勝手な言い分。しかし、「もしかしたら売れるかも」という目論見を出版社がして、「誰に書いてもらうか」ということで、オレを星海社新書のI編集者は選んでくれたわけです。

今年で44歳になりますが、フリーのモノカキとして、こうして仕事をいただけるのは大変うれしいことですし、ありがたいことです。先ほどは、とある鼎談に出席しました。私はネット関連の専門家(笑)として登場するのですが、一応2人の専門家から含蓄ある発言を引き出す司会者役もしました。

ホテルニューオータニのスイートルームが鼎談場所だったのですが、開始直前に編集者から電話が来たんですよね。

「今日は中川さん、場を回してもらえますか? 私達が過度に介入すると人数が増えすぎて混乱すると思いますので…」

ここでの返事は、『電通と博報堂は何をしているのか』の帯にあるように「はい!よろこんで!」でしかありません。元々は出演者としての鼎談参加ですが、「司会兼」という役割を直前にいただいたのです。その立ち位置は納得できるものですし、編集者のこの考えも至極真っ当です。むしろ、そんな役まで与えていただき感謝しております。

フリーランスの人間は、こうして組織人に感謝しつつ、生きながらえるのだなァ…とつくづく感じいる一日でした。

『バカざんまい』(新潮新書)の編集者・K嬢も以前「著者への連絡で最も嬉しいのは『重版しました!』です」とおっしゃっていました。今回のオッサン編集者の「『重版』という言葉がこの世で最も美しい」とK嬢のこの言葉をかみしめ、お仕事のオファーをお待ち申し上げます。本当に皆さま、いつもありがとうございます。

バカざんまい (新潮新書)
中川 淳一郎
新潮社
2016-09-15