7月14日の参院選、7月31日の都知事選と、怒涛のツイッター大荒れ1ヶ月が終わりましたが皆さんいかがお過ごしでしょうか。まさに矢野顕子が「親と親とは敵同士、選挙のたびに殴り合い」と歌ったように、支持候補・政党がいて何らか主張したい人にとって最高の主張・攻撃ツールであるツイッターの大荒れは、この選挙1ヶ月においてもいかんなく各所で見ることができました。しかしながら私が心配するのは、この1ヶ月間、生き生きと大暴れした皆様方の「燃え尽き症候群」であります。

時々「右だったのに左に行ってしまった」や「左だったのに右になった」などという言説を見ることがあるほか、今回も宇都宮健児氏陣営が鳥越俊太郎氏のスキャンダルのリーク元だったという珍説が登場したり、とにかく選挙結果を見てカッカカッカしてる若そうな方々も何人かお見受けされます。

こうした方々がなぜ、こうも不毛なことをやっているのか、と指摘すると「現場に出てないくせに何を言うか」や「冷笑系が、カス」なんてことを言われますが、それはあなたの価値観でしかありません。「選挙の応援に行く=エライ」というのを世間全般に通じる「エライ」の価値観だと規定しない方が良いかと思われます。

今回にしても鳥越俊太郎氏が当選せず「東京は死んだ」なんて書く方も登場しましたが、選挙一発で自分の人生がすべて規定されると考えるのは完全に「死ぬ死ぬ詐欺」のようなものであります。

そんなことを言うのであれば、私は我が敬愛する阪神タイガースの応援のため、甲子園球場まで行ったことは何回もありますし、ろくでなし子氏主催の「まんこ総選挙」で、意中の候補・ビラリー・栗ントン氏に清き一票を入れるべく炎天下の新宿の画廊まで足を運びました。現場主義のオレ、エラい! 「冷笑系」と言いましても単に自分にとっては選挙よりも大事なことが色々ありまして、それは日々の納品をきちんとこなし、税金を支払い、上限となる国民健康保険料をきちんと期限までに全額納めるといったこともその例であります。

ですので、「鳥越さんに投票しなくては平和が毀損される」と思っている方と「桜井誠さんに投票しなくては日本は韓国の属国になる」と考える方と、「マック赤坂さんに投票しなくては東京から笑顔が消える」と考えている方々がそう考えるのは自由ではあるものの、その考えに同意せぬ人間をいちいち攻撃する必要もない。

◆嗚呼、羨ましき「フォーエバー青春」

さて、こうした選挙の応援がなぜここまで盛り上がるのかといえば、彼らは「皆で一緒に一つの目標を達成するのが好き」であり、「フォーエバー青春」ということなのではないかと思うんですよ。私なぞ、42歳になってまで選対からいちいち「ポスターアソコに貼ってきて」とか「お弁当買ってきて」とか「電話500軒かけて」なんて指示されたくない。

せっかく学校を卒業して先生から指示される状況を抜け出し、会社を辞めて上司から指示される状況も脱することができた。フリーになって発注主(お金をくれるとってもエラい人)の依頼(命令じゃないぞ)をこなす自由な人生かつ付き合いたい人とだけ付き合える人生になったのに、なぜ運動体の中で指示されなくちゃいけないんだよ。その日、締め切り直前で早く家に帰りたいのに「投票日直前なのに真剣さが足りない!」なんて言われることもあるんでしょ? 上司が帰らないから残業してるふりする、みたいな日本的クソ同調圧力が選挙事務所でも展開されているんでしょ?

そんなの耐え切れないのですよ。

だから、私はい社会人バスケサークルにも入れないし、社交ダンスのレッスンにも行きたくない。そもそも皆が決めた日時に集まるのは飲み会以外は面倒くさい。そんなことから選挙活動の「現場」とやらに行きたくないのです。

しかしながら、こうした活動をしている方は、多分「仲間が好き」「一つのことを達成できる」ということを一生やり続けたいのでしょうね。それはそれは、幸せな人生なのかとは思います。よくあるサークル活動であれば、なんだか終わりが見えず、ハイライトがどこかであるわけでもなく続いていく。そうしたマンネリ化打破のために、「発表会」やら「対抗戦」があるわけです。

選挙運動というサークル活動の優れた点は、まずはマスメディアから大きく取り上げられ、自分の運動の成果がその晩のテレビでニュースになっている点があります。これってすごい話ですよね。あと、事前の調査で劣勢だった場合、「今こそ踏ん張りどころ! 作戦会議だ!」「よし、明日からポスティング強化ウィーク! ガンバ!」みたいな一体感も醸成できる。バイブス、イェーイ、一体感! ワンチャン、ナイナイ! みたいな今井華的なノリをオッサン、オバサンになっても体験できるのです。

そして、選挙で勝利したら、それこそ浴びるように酒を飲み、万歳三唱。一体感、イェイイェイ、バイブス、イェイ! をまさに全員でやることができるのです。負けたとしても「野党共闘の道筋はつけた。将来の立憲主義のためには意義のある闘いだった」と自己正当化ができる。

こうして考えると「仲間との友情」「達成感」「一体感」「正義感の醸成」「一生の思い出」といった要素がすべて備わったサークル活動であり、明確に投票日という最終日のゴールも決まっている。去年の安保関連デモについても、8月19日というゴールがあり、そこから先は毎月19日を「忘れないための記念日」と位置付けました。目標やその時々のイベントごともあり、まさに男女の恋愛のごとき快楽がこうした政治活動にはあると言えましょう。

こうして一旦活動は終わるものの、幸いなことに選挙は日本全国で頻繁にやっている。ネットではすでに「次は8月21日の箕面市長選だ!」なんて声も出ており、勇者は一定の休息を取ったところで、再び闘いの荒野に出て、仲間とともに巨悪を倒す旅(フォーリンラブ)に出発するのでした。

この「リアルドラクエ」や「大人の高校野球」とでもいえそうな選挙戦、そこまでのめり込めるものがあることは正直羨ましいとは思いますが、まぁ、ご自身の価値観を押し付け、さらには異論を述べる者に対してはケンカ腰で突っかかっていくのだけはウザイのでまぁ、あんまりしないでくださいね、とここでお願い申し上げる次第であります。

ツイッターの優れたところは、こうした「ぼくのかんがえる正義以外は悪のすくつ(←なぜか変換できない)のバカどものクソ意見だぞぉ!」と言ってる、もうどう考えてもあちゃちゃ、な人物を可視化させられることだと思います。選挙の時のあまりにもアツ過ぎる熱狂の発言が将来的に黒歴史にならないことを心からお祈り申し上げます。

というわけで、明日は楽しい飲み会だ。政治の話もたくさんできるメンバーがいて、楽しみです(これはホントの話)。