好きなように生きる下準備 (ベスト新書)
中川 淳一郎
ベストセラーズ
2016-06-09


6月9日に発売されました。
あとは、『仕事に能力は関係ない。 27歳無職からの大逆転仕事術』(KADOKAWA/中経出版)も出たわけですが、こちらはcakesで連載していた「赤坂のカエル」に加筆したものです。

これについて言うと、前者は「無事20、30代を乗り切った40代男が、現役20、30代の皆様に僭越ながらうまく乗り切る方法をお話します」というものです。後者については「突然無職になってしまった27歳が仕事を獲得する1年」といえましょう。

私自身は、何かの才能が有るわけでもなく、単に運と出会いに恵まれ、それなりに体力があったとしか思っておりません。しかしながら、この3つがあることはすでに相当恵まれているわけです。そうしたことに感謝しつつ、この2冊は書きました。

本書(好きなように…)を書くにあたって「はじめに」で書いたのは82歳のババア・よしこです。よしことは2004年頃、私がまだ31歳だった時によく会っていました。当時はテレビブロスを一緒にやっていた木下拓海君と、あとは美人ギャルのT嬢とよしことよく会っていたのです。よしこは某俳優のファンクラブ会長。女性ライターのはしりとも言える人で、毎晩酒ばかり飲んでいました。そして、我々3人を連れてゴールデン街の裏道をゴキブリのようにサササッと歩き、ハシゴ酒をしていくのでした。

当時のゴールデン街は、今とは違い、外国人観光客がフラリと入れるような感じではなく、「ウチは初めて?」なんて言われることもあったのですが、よしこは、「よし、この店入ろう!」と言って、すぐにウイスキーのダブルをストレートで頼み、最終的には店の人からも「すげーババアだな」と感心されていたのでした。

そんなよしこが言っていたのは「アンタ、私がここまで元気にいきているのは、好きなように生きているからよ。誰のことも気にしていないわよ」ということです。なんとなくこの言葉が私は気になってしまい、以後座右の銘のようにしてきたところがあります。

よしこは、一応人生の後輩たる私達に色々教えてくれたわけですが、ある日家に電話したら死んでたんですね。木下君とT嬢とあとはよく一緒に行っていたゴールデン街のPとHという店に行ってよしこが死んだことを伝えても、誰も悲しまない。

「あんな大酒ぐらいの不良ババアでも死ぬんだね…。平気で174歳ぐらいまで生きると思っていた」

なんてケラケラ笑うだけでした。よしこの口癖は「ワタクシに言わせればね!」に始まり、総理大臣批判から、飲み会にいた「クソジジイ」(おい、よしこ、お前の方が年上のクソババアだろ!)の悪口などをけたたましい声で一気にガーッとまくし立てます。

それをなだめすかすのが我々の役割でした。

こうしたよしこの教えをきっかけに、あれから12年、私も42歳になってしまいましたので、少しは人生を楽にするための悪知恵というか、コツみたいなことを書いてみようかなぁ、と恥ずかしながら書いてみました。

31の悩みをいただき、それに答えております。20、30代という人生を決定づけるにあたっては実に重要な20年間をいかに過ごすか--そんなお話であります。正直人生はツラいことの方が多いと思います。いかにしてそのツラいことを減らしていくか。そして「好きなように生きる」状況をいかに獲得するか、という観点から書きました。

皆様が実りある20、30代を過ごし、それから先の人生がさらに栄えあるものになるよう心より祈念いたします。

長文にお付き合いいただきましてありがとうございます。